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第2回木村ゼミ 『国立重度知的障害者総合施設のぞみの園』見学会

 こんにちは!学校法人藤仁館学園グループ同窓会“藤花会”の事務局です!

 本日は、藤花会同窓生の“木村ゼミ”の活動をご紹介します!

 本学社会福祉士通信課程の木村雅人先生の教え子たち有志の集まり“木村ゼミ”は、現在、17名で活動中です!ゼミ生(当校卒業生で構成)は年々増加中で、活動も広がりつつあります。

 この木村ゼミが発足したきっかけは、2023年3月に開催しました藤花会イベント“Think the Career”の出会いからです(2025年2月も同様のイベントを開催します!ご参加お待ちしています)。
 理想とする福祉を追求する熱い想いをもった同窓生がコミュニティを作り、LINEを活用し、日々の業務を相談したり、「福祉を実践する現場にこそ教科書で学べない真実へのヒント」を探しに見学会等を行っています!

 (Think the Careerの様子はこちら↓)  http://www.tojinkan.ac.jp/p09_1679472776509.html?&n=20&s=81&c=001

 木村ゼミの活動の一環として「第2回木村ゼミ」と題して、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(独立行政法人)様に訪問し、様々な学びを得てきましたので、ご紹介させて頂きます!

 今回は、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の田部井洋成さん(生活支援部)が、本校社会福祉士科修了生であり、木村ゼミの主旨に賛同し同志メンバーとして参画されたことで実現にしたようです。田部井さんは、現在、精神保健福祉士科に在学中でもあります。

では、第2回木村ゼミの当日の様子と学びをご紹介します!

  • 当日は、木村先生含め、12名で参加しました。記念撮影は高松町キャンパスにて📷
  • 国立のぞみの園は、1971年(昭和46年)4月に全国から受け入れた重い知的障害のある人たちなどを終生保護するための施設「国立コロニーのぞみの園」として開設されました。
     その後、2003年(平成15年)10月に独立行政法人への組織変更を契機に、重い知的障害のある人たちなどの自立のための支援と、その調査と研究、そして支援者の養成や研修などを総合的に行うことにより、知的障害のある人たちなどの福祉の向上をはかることを目的として「国立のぞみの園」に生まれ変わりました。
    「障害のある人もない人も相互に人格と個性を尊重し合いながら共に生きる社会の実現」を目指して運営しておられます。敷地は写真のマップの通りで広大な土地の中に山が3つあるとのことです。空気もおいしく自然に溢れ、大きな観音像に見守られて安心して暮らせる環境でした。
  • 業務内容は、知的障害や発達障害がある人たちなどに対する福祉の向上をはかるため、総合施設を設置・運営し、療育支援から医療支援まで幅広い年代の人たちに多様なサービスを提供しておられます。
     また調査・研究事業では、障害者福祉行政の政策目標の実現に資する分野、関係施設、事業所の支援の現場で直面している課題などについて、厚生労働省の意見等を踏まえ、また外部研究者・関係機関等と積極的に連携・協力しながら進めてられているとのこと。
     養成・研修事業では、国の政策課題や関心の高いテーマを取り上げた研修会・セミナーの開催や、実習生・ボランティアの受け入れや、若手職員育成研修なども行い支援業務に従事する人たちの専門性の向上を図る取り組みをされているとのこと。
     そして援助・助言業務では、障害者支援施設の求めに応じて支援に対する援助や助言を行い、以上全ての事業や業務に付帯する業務として診療所や児童発達支援センターの設置・運営などまで取り組んでおられるとのことでした。
  • 見学会は2時間というスケジュールでお願いしたため、これだけの膨大な事業内容全ては納まりきらず、「のぞみの園の歴史について」「高齢知的障害者支援」「強度行動障害者支援と矯正施設を退所した知的障害者支援」と、3つのテーマに絞り、施設を見学しながらご説明いただきました。
  • 「のぞみの園の歴史について」では、昭和46年1月の設立でありましたので、療育手帳がまだ発行されていない時代に全国から重度の障害を持つ人たちが集められたこと、国立コロニーのぞみの園だけでなく日本全国的にコロニー展開が始まり各都道府県にコロニー施設がつくられていたこと、などなど今となっては推察するしかない当時の大変な状況に思いをはせながら貴重なお話をきかせて頂くことができました。
     また、以降の障害者支援に関する世界的な動向(ノーマライゼーションや地域移行)や時代変遷に伴い、21世紀に入り特殊法人の整理合理化計画に基づき独立行政法人化が決定し、平成15年10月に独立行行政法人になったとのことでした。
     このタイミング以降、コロニー系譜での入所者は受け入れておらず、499名から現在は165名にまで減少している背景もあり、近年では有期期限を条件として、強度行動障害を持つ人や矯正施設退所した知的障害を持つ人を対象に受け入れ支援をされているとのことでした。
     改めて時代変遷とともに日本の知的障害者社会が抱える課題を率先して最先端の取り組みをやっておられるご姿勢に感銘を受けました。
  • 「高齢知的障害者支援」では、診療所と入院施設を見学させて頂きながら、コロニー時代から入所されている人たちが高齢化し医療的支援が必要な状況が多くなっている現状の課題やご対応についてご説明をうかがいました。
     清潔感と快適さを感じる施設・設備も、ストレス軽減に配慮した地域との連携体制も、誤嚥防止や個人の嗜好に合わせた支援内容も、手厚くきめ細かく行き届いた支援を提供されていて大変勉強になりました。
  • 「強度行動障害者支援と矯正施設を退所した知的障害者支援」では、普通の障害者支援の対応では難しい時に、どういう心構えで、どんな視点で、どういう準備をして、どんなやり方で、自分のやり方のどんなところをチェックしていくのか、などを教えていただきました。
     特にご説明の中で、「言葉って曖昧なものであることを利用者さんから教わったので、本人を知ることを大切にして心がけている。」との矜持は、支援に携わる人たちが助けを必要とするような重く複雑で幅広いケースのご経験を、何度も現場で乗り越えてこられた実践の積み重ねの迫力と説得力を感じ、感動しました。
     地域移行支援偏重の現状に疑問を感じてきたところもあって、コロニーやノーマライゼーションの理念や方法を越えた目の前の1対1の人間対人間で向き合っていく真実にこそ答えがあると教えて頂いたような感じがして、S課長様には改めて深く感謝申し上げます。
  • 尚、今回の見学会に向けたご準備やご説明やご案内に携わって頂いた全ての職員の皆様が、見学者にも優しさと思いやりに溢れたご対応をして下さっているお姿に触れることで、日頃からそのような姿勢で利用者さんたちにも接しておられるご様子がよくよく伝わってきました。
     また、国立のぞみの園殿で働いておられる意義(支援者の育成)や理念(共に生きる社会の実現)を、意識せずに自然体で実践されているお姿に感銘を受け、明日からも日本の福祉の一助となりたい!と気持ちを新たにし施設を出発しました。

見学会終了後は、木村先生が運転されるバスで高松町キャンパスに移動し意見交換会を開催しました。

今回の意見交換会も参加者全員のバトルロイヤルといった様相で、高齢者分野、児童分野、障害分野、医療分野、一般企業分野それぞれからエッヂの効いた視点や、日常の仕事から福祉にかける熱い思いなどが発表され参加者全員が何かを感じ合っていました。

今回は高崎名物のお弁当昼食会でも、来年の木村ゼミ開催に向けた企画や春の藤仁館イベント開催などに向けて話は大いに盛り上がり、有意義な時間を過ごすことができました。最後に、木村先生ご推薦の“鶏めし弁当”は本当においしかったです。次回は、だるま弁当にチャレンジします!

第2回木村ゼミのご紹介は以上です。定期的に、卒業生、修了生の様子をポストしてまいりますので、引き続きよろしくお願いします。

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